論文

病気の予防に週150分以上身体を動かそう!【身体活動のガイドライン in USA】

病気の予防のためには、身体を動かすこと・運動することが有効であることがはっきりしている訳です。そして、何を?どのくらい?というのも結構分かってきているんですよね。

今回は、2018年にアメリカの身体活動のガイドラインがアップデートされていたのでご紹介いたします。

ガイドラインって?

その前に、そもそもガイドラインって何?ということについて。ざっくり言って、「科学的根拠に基づいた介入方法の指針がまとめられているもの」ですね。「これは効果があります」と(現時点では)自信を持って言うことができるものです。

このガイドラインは、2008年に初めて作成されてから10年ぶりに改定されました。システマティックレビューのエビデンスグレードが「strong:強い」「moderate:適度」なものを基準にして作成されたそうです。つまり、とても信頼できる研究結果を集めて作成されたということです。

座りがちな生活は病気に繋がる!

座りがちな生活は、

  • あらゆる原因の死亡率UP!
  • 循環器疾患(心臓病・脳卒中など)による死亡率UP!
  • 循環器疾患(心臓病・脳卒中など)リスクUP!
  • 糖尿病(2型)リスクUP!
  • がん(大腸・子宮・肺)リスクUP!

に繋がることが明らかになっております。うーん、やはりかなりよくないんですね。

活動しよう!

  • どんなに少ない時間でも身体活動には効果がある!
  • よりはっきりとした効果が欲しいなら、少なくとも週150分〜300分の「適度な」活動をする!
  • 即時効果もある!
  • 軽い」日常生活上の動作でも、いくつかの健康効果はある!

「〜分以上やらなきゃ全然効果ないですよ」ってことはないんですね。

どういう身体活動が良い?

  • 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、スイミング、サイクリングなど
  • 筋トレ:ダンベルやゴムチューブを用いたもの、自重トレなど

もちろん、日常生活活動も有効ですよ!

きつい運動の方が良いの?

「適度」〜「激しい」くらいの活動を行うと、たくさんの良い効果があるようです。具体的な例にはもうちょい下に記載しました。

活動は、激しいほど良い訳ではなく、適度な活動も激しい活動も、同様に効果(利益)があります。ただ、同じ効果(利益)を得るまでにかかる時間が、適度な活動よりも激しい活動の方が短くて済むのです。例えば、1kmの距離をウォーキングしてもジョギングしても、効果は同じということです。ジョギングの方が早く済むだけですね。

「適度」な活動ってどのくらい?

専門的には、適度(Moderate)はMETs3.0ー5.9、激しい(Vigorous)はMETs6.0以上とされています。

  • METs(メッツ):運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの(eヘルスネット

例えば

● 適度:ウォーキング、出発の準備(身支度)、階段の上り下り、軽い運動、高齢者などの介護、草むしり、水中歩行、スポーツジム(一般的な運動)など

● 激しい:ジョギング、自転車にのる、山登り、エアロビクス、ランニングなど

ただ、もっと簡単に「適度」「激しい」を判断する方法があります!

  • 相対強度:座っている時を0、最大努力時を10とした指標。主観的に判断します。「適度」は5か6、「激しい」は7か8となります。
  • 会話テスト:「適度」は運動しながら会話できるけど、歌えないくらい。「激しい」は単語くらいは言えるけど、会話するには息を止めないといけないくらい。

特に、高齢者にはMETsよりも、相対強度や会話テストの方が良いようですね。例えば、ヨガや太極拳は、METsでは「適度」に分類されますが、高齢者にとっては「激しい」に分類されるということです。

確かに、同じ活動でも、その人の体力によって「適度」と「激しい」が変化する方が自然ですよね。

何分くらいの活動をしたら効果あるの?

上でも書きましたが、成人〜高齢者では、はっきりとした効果(利益)が欲しいなら、

  • 最低、週150分〜300分の「適度な」活動を行うと良いです!
  • もちろん、「激しい」運動なら、その半分の、週75分〜150分の活動を行えばよろしいです。

成人なら、これに加えて週2回以上の「適度」〜「激しい」筋トレを行うと、さらに健康への効果(利益)が得られます。

高齢者では、多要素が組み合わされた活動が推奨されています。筋トレや有酸素運動と同時にバランス練習が含まれた運動を行うことが良いようです。スポーツや太極拳なんかですね。ただ、体力や病気に合わせて、安全に行ってくださいー!

身体活動の効果(利益)!!

これを見ればやる気になっているはずです!身体活動はあらゆる健康に繋がる超優れた薬なんですね。

  • あらゆる原因の死因減!
  • 循環器疾患(心臓病・脳卒中など)による死因減!
  • 循環器疾患(心臓病・脳卒中など)減!
  • 高血圧減!
  • 糖尿病(2型)減!
  • 血中脂質状態が悪くなるリスク減!
  • ガンのリスク減!(膀胱、乳、大腸、子宮内膜、食道、腎臓、肺、胃)
  • 認知向上!
  • 認知症リスク減(アルツハイマー病含む)!
  • 生活の質UP!
  • 不安減!
  • うつ病リスク減!
  • 睡眠向上!
  • 体重増加減!
  • 体重減!
  • 減量後のリバウンド予防!
  • 骨健康!
  • 身体機能UP!
  • 転倒リスク減!(高齢者)
  • 転倒に関係した怪我減!(高齢者)

これらの効果が証明されているって、素敵・・

ただ、「どのくらいの効果があるか」は、個々の論文かScientfic Reportを読んでみる必要がありそうですね。

まとめ

病気の予防をしたいなら、最低、「会話はできるけど歌は歌えない」程度の「活動」を、週に150分〜300分(1日25分程度)行えば良いという結論になりそうですね。

あるいは、「単語は言えるけど、会話はできない」程度の「激しい活動」なら、週75分〜150分(1日15分程度)で済みます。

これを満たせば、活動の種類は有酸素運動でも筋トレでも日常生活上の活動(掃除とか)でもOK。ただ、成人なら週2回以上の筋トレ、高齢者ならバランス要素も取り入れた活動が、より得られる効果(利益)が多くなるのでオススメ!

もちろん、上記効果は人種に関係なく成り立つようですよ!

うーん、とっても勉強になりました!このガイドラインで学んだことを日々の臨床で還元していきたいと思います!

→The Physical Activity Guidelines for Americans